デジタルとは
デジタルとよく聞きますが、そもそもデジタルって何?という方のために
概念を説明したいと思います。
デジタルとは
一言で言うと「0と1で表せるもの」です。階段状で表現する、とびとびの値です。
と、言われても実感湧きませんよね。電球で例えてみます。
消えてる状態が「0」、点いてる状態が「1」とします。
1つの電球で2種類の状態(消灯、点灯)を表すことができます。
こういうON,OFFで表現できるものをデジタルといいます。
数学とかでやる2進数(0と1だけで表現)がこれにあたります。
ON(1),OFF(0)だけで中途半端な状態はありません。
例えば「0.1」や「0.2」であれば「0」、「0.8」や「0.9」であれば「1」と強制的になります。
四捨五入ではありませんが、閾値(しきいち)というものがあって、
その値を境として0、1が決まります。
きっちりと整数になっていますので数字やデータを扱うのには適していることになります。
多少ノイズが入っても閾値を超えない限りは問題ありません。(ノイズに強い)
ちなみにデジタル情報の最小単位を1bit(ビット)といいます。(例で言うと電球1個のこと)
これを非常にたくさん使うことによって現在のデジタルと呼ばれるもの
(地上波デジタル放送、パソコン、CDなど)のデータを表現しています。
アナログとは
次にデジタルの反対語のアナログについてみてみましょう。
一言で言うと「連続した量」です。
さっきの電球で例えると真っ暗な状態から明るい状態まで、薄暗い状態も含めて
表すことができます。
先ほどのデジタルと比べると0と1だけではなく、0.1や0.2など細かく見ればいくらでも
表せます。(連続したデータなので)
こうやって聞くとアナログのほうが細かく表現できるからいいのでは?と思うかもしれませんが、
ノイズの影響を受けやすく、すぐに変化してしまいます。
つまり、変わってはいけないもの(数字やデータなど)を扱うことができません。
アナログからデジタルへ
CDやテレビ放送など次々とアナログからデジタルへ移行しています。
また、デジタル家電と言われるくらいデジタルを使った製品が普及しています。
もちろんパソコンやスマホもすべてデジタルで処理しています。
この理由としては劣化無くデータのやり取りができるからです。
つまり製作者、配信側のデータを劣化無くユーザーが使えるようになります。
(もちろんコンピュータ自体の演算が2進数で行われているからですが)
おそらくレコードからCD、アナログ放送からデジタル放送、VHSからDVD,Blu-rayに
なったときにデジタルの美しさ、何回再生しても劣化しない品質に
ほとんどの方が気づいたのではないでしょうか。
コンピュータが進化してデジタル機器がより高速に高機能になり、
これからもいろんなところで使われると思います。
ただ、原理原則はこのデジタルという概念ですので、たまには0,1が沢山流れてると
思ってデジタル機器を使ってみてはどうでしょう(笑)
デジタル情報の単位
もう少し、デジタル情報について見てみましょう。
先ほども書きましたが、デジタル情報の最小単位はbit(ビット)です。
どこかで見覚えあるかもしれませんが、bitと言うのは転送速度でよく使われます。
たとえばLAN等の速度100Mbpsという単位を見たこと無いでしょうか?
これは、100(Mega bits per second)のことでMegaは1,000,000ですので
100,000,000bitのデジタル情報を1秒間に送れますよという通信速度です。
(そう考えるとすごい速さ)
また、パソコンの容量と言うとbyte(バイト)をよく使うと思います。
これは、1byte=8bitと定義されています。
あまり1byteのファイルは見ないと思いますが、あるとすれば「01010101」と8桁書かれた
ファイルとなります。
1[KB]であれば、1024[byte]=8192[bit]ですね。bitで自分で書こうと思ったら大変です。
3TBのHDDがどれだけ大きいか、すごいことかわかりますよね。
実際のファイルは
デジタルの原理は分かったけど、本当に持ってるデータが0,1で書かれているなんて信じられない
と言う方もいるかもしれません。
確かに音楽も、映像も、画像も、文書ファイルも全部0,1で書かれているなんて実感できません。
でも実際には書かれているんです。
使うことはほぼ無いかもしれませんが、見れると言うことを紹介しておきます。
(情報処理の上級者、、ハッカーさんやクラッカーさんやプログラマぐらいですかね・・・使うのは)
パソコン上で見ようと言う場合はバイナリエディタを使うと見れます。
有名な「
Stirling」というバイナリエディタソフトを使ってみてましょう。
音声ファイル(WAVファイル)を開いたところです。意味不明な文字が並んでいます。
何だ、0,1ではない・・・と思うかもしれません。。
実際には0,1で表示すると膨大すぎて分からなくなるため、バイナリエディタでは1byteの塊で
表示しています。
先ほど書いたように1byteは8bitです。これを分かりやすいように4bit,4bitに分けます。
4bitで表せるのは16種類、つまり16進数では0,1,2,3,4,5,6,7,8,9,A,B,C,D,E,Fになります。
ですのでバイナリエディタでは0〜Fまでの値が入っているはずです。
画像の一番左上は「AD」と16進数で表示していますのでこれを2進数に置き換えると
1010(=A) 1101(=D)となります。
計算すれば出ますが一覧を載せておきます。
16進数
|
10進数
|
2進数
|
0
|
0
|
0000
|
1
|
1
|
0001
|
2
|
2
|
0010
|
3
|
3
|
0011
|
4
|
4
|
0100
|
5
|
5
|
0101
|
6
|
6
|
0110
|
7
|
7
|
0111
|
8
|
8
|
1000
|
9
|
9
|
1001
|
A
|
10
|
1010
|
B
|
11
|
1011
|
C
|
12
|
1100
|
D
|
13
|
1101
|
E
|
14
|
1110
|
F
|
15
|
1111
|
この要領で一番上の行の「ADE499F6B1E94DF99FF329FF90000C07(16進数)」を2進数にすると
1010110111100100100110011111011010110001111010010100110111111001
1001111111110011001010011111111110010000000000000000110000000111
と1行だけでこんな感じです(笑)一応、01の世界ということは分かっていただけたでしょうか。
どのファイルもこの01の組み合わせで成り立っています。音声も映像も文書も地上デジタル放送も。
HDDには磁気でこの01が記録されています。DVD-Rにはレーザーで01を記録します。
地上デジタル放送もこの01を受信しています。デジタル機器とはそういうものです。
この01が崩れると音声や映像の場合はノイズになります。文書の場合は文字化けや破損して
開くことが出来なくなります。が、崩れない限りはずっと同じデータのままです。
ハード的な問題が出ない限り、崩れることは滅多にありません。
最後に
自然界のものはすべてアナログなのですが、それを便利にデータとして使うために
デジタル化したのが人間のすごいところだと思います。
使用するのは結局は人間なので、音楽CDなどは
演奏者がアナログで音を出して、それをデジタル化してCDにして、リスナーがプレーヤーで
再生してスピーカーから音を出す(アナログ化)という、
アナログ→デジタル→アナログで使用しています。
デジタルを間に挟むことによって100%そのまま伝達することができ、
高音質のものが聞けるようになったわけです。地デジにもいえることです。
(厳密にはリサンプリングや圧縮が途中でかかっていますが)
特に意識して使っている方はいないと思いますが(笑)
そんなことをやっているのだなぁと考えていただければと思います。