キューシートについて

Exact Audio Copyやロスレス圧縮を扱っていると、「キューシート」という言葉を
よく聞きます。拡張子としては「.cue」が付いているものがキューシートです。

簡単に言うと、キューシート(CueSheet)はCDイメージ情報が書き込まれた
テキストファイルです。もちろんメモ帳からでも開けます。

実際のところCDイメージ情報なのでデータCDでも使えるのですが、ここでは
音楽CDのキューシートのみに絞って説明していこうと思います。

どのようなときに使うか?

基本的にキューシートを自分で書いて使うと言うことはあまり無いと思います。
自分で音楽CDを作りたい、曲間の時間まできっちり指定したい場合などに使うと
いいと思います。(DVDでいうオーサリングです)

通常はリッピングソフトで既存のCDを読み取って自動でキューシートを
生成します。Exact Audio Copyであれば、wav(音声ファイル)とcue(キューシートファイル)を
出力できます。

このキューシートを元にCDを焼いたり、ロスレス圧縮で音楽再生ができます。
大体はこの使い方だと思います。
自分でちょっとしたところを編集したいと言う場合に参考にしてください。

使用するコマンド(フォーマット)

音楽CDの場合は頭だしする時間の指定や、曲名、アーティスト名などを入力するのが
メジャーな使い方です。

いろいろなコマンドがありますので、紹介します。(ソフトによって対応状況は異なります)

基本コマンド 説明
FILE filename WAVE filenameにはwavファイル名を指定します。
このコマンドはWAVEファイルを呼び出すものです。
指定しないとCD−Rに焼けなかったり、
音楽再生できなかったりします。

使用例
FILE F:\test.wav WAVE
TRACK number AUDIO numberにはトラック番号を入れます。(2桁で)
普通はトラック1から順番に使っていきます。

使用例
TRACK 01 AUDIO
INDEX number time numberにはインデックス番号、timeには時間を入れます。
時間の書式ははmm:ss:ffです。
mmは分、ssは秒、ffはフレームを意味します
音楽CDなのでffというフレーム数で指定します。

使用例
INDEX 00 00:00:00
INDEX 01 00:01:38

この例ではwavファイルの00:00:00から00:01:38まではプリギャップになります。INDEX 00を省略するとプリギャップは0秒です。
PREGAP time timeには時間を入れます。
時間の書式ははmm:ss:ffです。
mmは分、ssは秒、ffはフレームを意味します
音楽CDなのでffというフレーム数で指定します。

使用例
PREGAP 00:01:38

この例は00:01:38のプリギャップをつけるということです。
またPOSTGAPも使えますがトラックデータと一体化するのであんまり意味がないようです。
ここで指定するプリギャップは無音になります。
ファイルの最初に無音部を入れることができます。
FLAGS DCP デジタルコピーを許可するときはこのコマンドを使います。
TRACKとINDEXの間に入れます。


CD情報コマンド 説明
PERFORMER artist artistにアーティスト名を入れます。

使用例
PERFORMER L'Arc-en-Ciel

CUEファイルの一番最初に持ってくることによってCD自体のアーティストをいれることができます。
TRACK **の後に入れると曲ごとのアーティスト名を入れることが出来ます。
TITLE name nameにアルバム名や曲名を入れます。

使用例
TITLE HONEY

CUEファイルの一番最初に持ってくることによってCD自体のアルバム名をいれることができます。
TRACK **の後に入れるとそのトラックの曲名を入れることが出来ます。
ISRC number numberにISRCを入れます。
個人製作ではほぼ使いませんね。

使用例
ISRC JPKS00101262
CATALOG number numberにカタログ番号を入れます。
市販CDにも入っているものと入っていないものがあります。

使用例
CATALOG 4988005305749

実際に書いてみる

指定するWAVファイルは複数個でも1つでも大丈夫です。
EACで言うと曲単位で取り込んだときと、CD全体のイメージを取り込んだときの
キューファイルの違いです。

キューシート例
説明
CATALOG 0000000000000
PERFORMER TESTMAN
TITLE TESTCD

FILE CDImage.wav WAVE

TRACK 01 AUDIO
ISRC JP0000000000
FLAGS DCP
PERFORMER TESTMAN
TITLE TESTMUSIC
PREGAP 00:05:00
INDEX 01 00:00:00

TRACK 02 AUDIO
ISRC JP0000000000
FLAGS DCP
PERFORMER TESTMAN
TITLE TESTMUSIC2
INDEX 00 05:00:00
INDEX 01 05:05:00

-------------------------------------
複数ファイルの場合は下のように繋げていく。
INDEXなどの指定はFILEで指定したファイルの
位置を書く。
-------------------------------------

FILE CDImage2.wav WAVE

TRACK 03 AUDIO
ISRC JP0000000000
FLAGS DCP
PERFORMER TESTMAN
TITLE TESTMUSIC3
PREGAP 00:05:00
INDEX 01 00:00:00
カタログ番号を13桁で書く
このCDのアーティスト名を入れる。
このCDの題名を入れる。

FILEで読み込むファイルを指定する(絶対パスでも可)

CDImage.wavからのトラック1の情報を書いていく。
ISRCを書く。最初はJPじゃないとEACではエラーが・・・
デジタルコピーの許可を許す。(別に書かなくてもいい)
トラック1のアーティスト名を入れる。
トラック1の題名(曲名)を入れる。
プリギャップを5秒とる。ファイルの最初に5秒の無音部。
CDImage.wavの00:00:00からトラック1をはじめる。

CDImage.wavからのトラック1の情報を書いていく。
ISRCを書く。最初はJPじゃないとEACではエラーが・・・
デジタルコピーの許可を許す。(別に書かなくてもいい)
トラック1のアーティスト名を入れる。
トラック1の題名(曲名)を入れる。
CDImage.wavの05:00:00からトラック2のプリギャップ開始。
CDImage.wavの05:05:00からトラック2が始まる。
(つまりINDEX 01は実際の頭だしの位置)






FILEで読み込むファイルを指定する(絶対パスでも可)

CDImage2.wavからのトラック3の情報を書いていく。
ISRCを書く。最初はJPじゃないとEACではエラーが・・・
デジタルコピーの許可を許す。(別に書かなくてもいい)
トラック1のアーティスト名を入れる。
トラック1の題名(曲名)を入れる。
プリギャップを5秒とる。CDImage2.wavの最初に5秒無音部
CDImage2.wavの00:00:00からトラック3をはじめる。

何かすごくごちゃごちゃしてますが特に何にもCD情報を書きたくない場合は

FILE CDImage.wav WAVE
TRACK 01 AUDIO
INDEX 01 00:00:00
TRACK 02 AUDIO
INDEX 01 05:00:00
TRACK 03 AUDIO
INDEX 01 10:00:00
CDImage.wavの

00:00:00からトラック1が始まる

05:00:00からトラック2が始まる

10:00:00からトラック3が始まる
っていう風に簡単に書くことも出来ます。この場合はプリギャップはまったくなし(0秒)です。

もちろんINDEX 00を使うことによってプリギャップを入れることも出来ます。
普通はプリギャップは無音ですが、INDEX 00を使えば音声入りのプリギャップも作れます^_^;
使いこなせれば隠しトラックも作れますし、面白いCDが出来るかもしれません・・・

メモ帳などでこれを書いて拡張子を.cueにすれば完成です。
EACやNEROでイメージを開いて焼いてみましょう。
多分、市販ソフトでは作れないようなおもしろいCDが作れます。
興味がある方はいろいろ試してみてはどうでしょう?

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