転送速度bpsとは
昔はあまり見ませんでしたが、今では普通に使われるようになった転送速度の単位「bps」に
ついて説明したいと思います。
bpsとは「bits per second」の略で1秒間に転送できるデータ(bit)の単位です。
「b/s」、「ビット/秒」とも表記できます。
ビットとは何?と思われた方は
「デジタルとは」を読んでみてください。雰囲気は分かると思います。
どこで使われている単位か?
パソコンを使っている方はインターネットの通信速度でよく見ますね。
また、スマートフォンの普及により一般的に通信速度の単位で使われるようになりました。
インターネット契約や無線LANを少しでも検討したことある方は
少なくとも見たことがある単位だと思います。細かいことを理解しているかは分かりませんが、
数字が大きければ大きいほど速いんでしょ?というイメージです。(あっています)
また、デジタル関連のものを扱うとよく出てきます。
例えばデジタルオーディオでいえばビットレートというものがあって、この単位がbpsです。
MP3などに変換するときに設定で64Kbpsとか128Kbpsとか320Kbpsとか見たことあるかと
思います。
あまり知られていませんが、音楽CDは1411Kbps、地デジは約17Mbps等々
規格として決められているものも多々あります。
いろいろなところで使われていますが考え方としては同じです。
ビットとバイトの違い
パソコンを使っている方にとっては何となく雰囲気はわかるが、実際どれくらいの
速度なのか分からないということはあると思います。
確かにビットで言われると「ん?」と思いますが、
「デジタルとは」でも説明したように
1バイト[Byte]=8ビット[bit]と定義されています。
つまり、パソコンでよく使っているバイト[byte]に置き換えてやれば、これぐらいの容量が
転送できるんだなと実感が湧きます。
(規格によってはバイト表示することがないものもありますが、パソコンで使う場合で
どの程度の容量を転送できているのかを理解するためにここではバイトを用います)
ビットもバイトも頭文字が「b」なので混乱の元ですが、
基本的にはビットは小文字、バイトは大文字で書かれています。
混合しないように注意しましょう。8倍の差が出てきます。
では、試しにLANやインターネットの速度でよく見る「100Mbps」で計算してみましょう。
100メガ[Mega]のメガは10の6乗(
キロ、メガ、ギガについて)なので、
100×1,000,000=100,000,000です。
つまり、100,000,000bit/sです。
1Byte=8bitなので、8で割ってやればByteに変換できます。
100,000,000/8=12,500,000Byte/sです。
ちょっと丸が多くて見難いので、これを
キロ、メガ、ギガについての後半で書いてある1,024で
割って接頭語をつけてあらわすと、
12,500,000/1,024=12207KByte/s
12,207/1,024=11.9MByte/s
となります。
ということで、この回線はベストエフォート(理論的に最大速度が出た場合)であれば、
1秒間に11.9MBのデータを転送できる速度と言うことになります。
昔で言うフロッピー8枚分ぐらいを1秒間に転送できてしまう速度です。
(まぁそんなに速度がでることはまずないですが)
単位を変換してみるとどれぐらいの速度か分かりやすくなったのではないでしょうか?
ちなみにSSDや、SDカードの転送速度などはパソコンで使うことを想定してか
「MB/s」で表示されていることがほとんどです。
SDカードに関しては転送速度がそのままClassで表示されていたり(Class10は10MB/s)
しますのでより身近に感じると思いますし、購入する際に気をつける部分でもあります。
実際にClassが大きいものは容量が大きくても割高になっていることが多いですし、
自分に合ったものを理解して買いましょう。(大きいの買っておけば問題ないですけど)
容量と転送速度の関係
MUSIC PCでは音楽ファイルを扱うことが多いのでもう少し述べておきます。
よくデジタルオーディオプレーヤーでは「容量が何GBで何曲入ります」っていうのを
お店などで見ます。
これも実は転送速度(音楽ファイルのビットレートですが)から計算で出せるものです。
音楽ファイルをビットレート320Kbpsで変換したと仮定します。また、1曲は5分とします。
1秒間に320Kbitを使うわけですから、先ほどと同じ計算で
320×1,000=320,000bit/s
320,000/8=40,000Byte/s
40,000/1,024=39KByte/s
1秒間に39KBということは5分(300秒)で
39*300=11,700KB
11,700/1,024=11.4MB
となり、1曲あたり11.4MBの容量となります。
8GBの容量は・・・ものによるかもしれませんが、
8,000,000,000Byte/1,024=7,812,500KByte
7,812,500/1,024=7629.4MByte
ということで8GBのプレーヤーには
7629.4/11.4=669
5分の曲が669曲入ります。時間にすると3346分(55時間)入ります。
ただ、実際にはプレーヤーが内部で使用している領域があるので
もうちょっと入る曲数は減るかと思います。
今回はMP3の最高音質320Kbps(ビットレート)で計算しましたが、
もちろんビットレートを落とせば入れれる曲数(時間)は増えます。
お店とかの計算の場合は下のほうに小さい字で条件等が書いてある場合がありますので
気になる方は見てみると良いと思います。
イメージ的には上の図です。曲を沢山入れたい場合は低ビットレートで変換しますが、
音質は悪くなります。逆に高ビットレートにすると音質がよくなりますが、曲があまり入りません。
この部分はトレードオフなので各自で最適と思われる設定にする必要があります。
代表的な転送速度
ここまでで計算すればいろいろ出せるということが理解できたと思いますが、
代表的な転送速度とByte/sに変換した値を参考までに載せておきます。
用途
|
転送速度 bit/s
|
転送速度 Byte/s
|
MP3の最高音質
|
320Kbps
|
39KB/s
|
オーディオCD
|
1411Kbps
|
172.2KB/s
|
SACD(ステレオ)
|
5.64Mbps
|
688.5KB/s
|
USB1.1
|
12Mbps
|
1.43MB/s
|
地上波デジタル放送
|
15Mbps
|
1.79MB/s
|
無線LAN(IEEE 802.11g) |
54Mbps |
6.44MB/s
|
LAN(100BASE-TX)
|
100Mbps
|
11.9MB/s
|
USB2.0
|
480Mbps
|
57.2MB/s
|
IDE
|
1064Mbps |
126.8MB/s
|
光ファイバー回線
|
1Gbps
|
119.2MB/s
|
USB3.0
|
5Gbps
|
596.0MB/s
|
S-ATA3.0
|
6Gbps
|
715.3MB/s
|
いろいろ規格がありますので、どれぐらいの速度か把握しておくと役に立つことがあるかもしれません。
どれもベストエフォートなので、環境によってはぜんぜん速度が出ない場合があります。
適当に計算しておりますので間違いがありましたらご連絡ください。
よく、SSDで転送速度を見ますが、こうやって見るとS-ATA3.0でないと最新のSSDは
生かせませんね。というかすごい進化してますね。